ちょっと気になる記事

chiaozo2005-11-19

昨日の日経に乗っていた記事で、「生命保険の売買」についての記事が目を引きました。

これは、自分の治療費を得る為に自分の加入している生命保険を買い取り業者に売却した埼玉県のがん患者の男性がAIGスター生命(旧千代田生命)に契約者名義の変更に応じるよう求めた訴訟で、その判決が17日、東京地裁であったもの。
結果は、「名義変更への同意は保険会社の義務ではない」として請求を棄却した。
この男性は、控訴する方針。

というもの、この内容を簡単に説明すると、この男性が加入している生命保険は死亡すると、2800万円の死亡保険金が支払われる。しかし、死亡しなければお金が入ってこないので、この契約自体を、買取業者に売買し、850万円の現金を手にしたということ。
そして、このお金を治療費に当てたいという事なのです。

この件は、様々な議論を呼んでいます。
詳しい事は、新聞やテレビでは分からないので、コメントしがたいのですが、自分の加入している生命保険を残された家族の為に使うのではなく、自分の為に使うという事も悪くはないのでは、もしかすると、そのお金で、病気が治る可能性もありますし・・・

この事例は、すでにアメリカでは一般的になりつつあり、専門の会社などが出てきており、かなりのファンドとして、金融商品になっています。

もともと、この事の始まりは、80年代後半からアメリカでエイズ患者が増え、残された時間を治療や思い出作りの為に有効に使いたい、しかし、お金がない、そこで、死ぬと決まっている自分の保険を担保にお金をもらう事から始まりました。
このおかげで、多くのエイズ患者が、自分の余命を充実させる事が出来たと聞いています。

そして、これを期に保険会社の考えも「保険は死んでから残された家族の為のものという考えから、死を目の前にした自分のためのものという考えが生まれ、アメリカプルデンシャル生命が、初めてリビングニーズを発売しました。」このリビングニーズとは「余命半年と告知された場合、加入の生命保険金のうち3000万円までを先払いしてくれる特約」
現在は、日本でもほとんどの生命保険に無料で付加されていて、また、以前の契約にも追加付加できる会社も多いいのです。

しかし、このリビングニーズがあるのになぜ、今回は買取を選んだのか??
この男性の契約にリビングニーズがなかったのか、または、余命が6ヶ月の判断がされていないのかが分かりませんが、今回は売買を選択しています。

少なからずとも、この売買に関しては、人の命がかかわるので、とても難しい問題です、実際アメリカでも、かなり厳重な個人情報の保護がされているにもかかわらず、その生命保険の被保険者が殺されてしまうケースがあったようです。
現在のアメリカでは、こういうケースを防ぐため、ファンドとして、多くの保険契約をまとめて、ある特定の個人の保険を対象としなくなっているようです。
日本では、まだ、このことが進んでいないため、このような危険性はあるのかもしれません。
この、買取をした会社の社長は、ラッテも良く知っている方です、いい見方をすると、本当に人助け、悪い考え方をすると、2800万のものを850万で買ったのだから、巨額の利益を得られる、しかし、850万の算定も、金利や余命などの事を数理計算して出たもののはず、まだまだ、多く課題が続くのでしょうね。